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Session10.【アゴラ】池田信夫氏に聞く、これからの日本の金融、財政と投資家がやっておくべきこと

世界の資産運用フェア

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Session10.【アゴラ】池田信夫氏に聞く、これからの日本の金融、財政と投資家がやっておくべきこと

「第6回 世界の資産運用フェア」 パネルディスカッションレポート

Session10.【アゴラ】池田信夫氏に聞く、これからの日本の金融、財政と投資家がやっておくべきこと

■開催日時:2017年8月26日(土) 17:30〜18:00(30分)
■開催場所:大手町サンケイプラザ4Fホール
■モデレータ:内藤忍
■ゲストスピーカー:㈱アゴラ研究所 所長 池田信夫氏
■レポーター:黒坂 岳央


「言論プラットフォーム アゴラ」の池田信夫氏と内藤忍が、これからの日本の金融や財政についてディスカッションをした。
未来のことは誰にも分からない。それ故に色んな予想が入り乱れるのが常なるものだが、どんな未来になったとしても有事の備えをしておくことが肝要だと強い主張がなされた。

日本の財政は改善している

日本の財政や将来についていえば、「基本的に日本の財政はそんなに悪くはないと思う」と池田氏は始めた。政府債務に対GDP比で見ると、従来に比べて日本の赤字は減っている。3年前にGDP比242%だったものが、239%へ改善している。非常に僅かながら、しかし確実に改善していることが数字に現れているという。安倍政権はプライマリーバランスの黒字化目標を放棄したことが話題になったが、すわなちそれが財務破綻や危機が迫っているということではないと指摘した。

将来のインフレに備えをする

日本人は良くも悪くも「お上(政府)」を信じている人が多く、金利が上昇しないのは政府を信じている人が多い何よりの証拠だと池田氏は語る。だがその信用がなくなる時がXデーのトリガーを引くことになるだろうと予想する。ただ、それがいつ、どのくらいのマグニチュードで発生するのかは誰にも分からない。
内藤氏は「そうした有事が起こることに備えをするのが投資家が取るべき姿勢だ」と語る。起こった時に困らないように準備をするべきということだ。

池田氏によると、政府債務の返済はインフレを起こして踏み倒すしかないのだという。この先の将来、それが起こる可能性は非常に高いが、いつ起こるか?は分からない。日本人みんなが「今の水準が過大評価されている」と考えれば正常化していくという。緩やかに正常化させることの必要性については、クリストファー・シムズ氏が述べていると池田氏はいう。人為的に緩やかなインフレを起こす事で、ダメージの逓減を図るべきだが、問題はそんな理想的なことが果たしてできるのか?という点だ。
我々投資家は、「インフレがいつ起こるのか?」ということを予想するのではなく、インフレになっても問題にならないポートフォリオを組むべきだろう。

日銀の異常なポートフォリオ

日銀の国債保有割合が50%近くまで迫り、60兆円の国債は流動性がなくなってきている。いずれ買うことができなくなるのは確実だと池田氏は予想する。現状で財政が破綻するリスクはないが、日銀のバランスシートの「資産の部」に無理が生じているという。日銀の資産は500兆円で、その9割以上を国債が占めていてポートフォリオが異常ともいえるレベルに国債に偏っている。日銀はイールドカーブコントロールの形成のためとしているが、短期金利はコントロールができても、長期金利をコントロールすることは不可能と池田氏は指摘する。日銀が国債を購入することで見た目に下げることは可能でも、実質1-2%金利を押さえ続けることで、実際にあがっている金利と日銀との間に評価損が発生し、債務超過になってしまうというのだ。

「日銀の債務超過はお札を刷れるから問題なく、評価損を計上しなくてもいい。含み損を抱えても簿外になるじゃないか」という人もいるが、これは誤解だと池田氏は指摘する。日銀が損をする時に、民間もそのダメージを負うことに問題があるのだ。日銀の債務超過となっているポートフォリオで問題が起こると、地方銀行が多く保有している長期国債で民間銀行が数十兆円の評価損を受けることになる。そうなると山一證券が破綻したときのように取り付け騒ぎが起こるだろう。当時、マスコミは報道規制をしていたが、大口定期の解約が続いたというのだ。

最も避けるべきシナリオは「地方銀行の取り付け騒ぎ」

ここまで日銀の債務超過の問題を話してきた池田氏は「一番恐れるべきはそれ以上に民間銀行の取り付け騒ぎ」と指摘する。特に金融機関の中でも長期国債をたくさん所有しているところはリスクが大きい。メガバンクが保有するのは3年くらいの残存期間が短い国債だが、地方銀行は長期国債をたくさん保有している。最悪のシナリオは、地方のお金を預けている人たちによる取り付け騒ぎが問題となり、国がお金を出すことだ。…いや、これからの銀行の取り付け騒ぎは、日銀が債務超過になっているので過去の取り付け騒ぎの時に出来た救済ができない可能性すらある。そうなると民間銀行の流動性の枯渇が起きてしまう。一体、日銀の国債買い入れの出口はどこにあるのか?

官製バブル崩壊の危機

政府債務の水準事態はものすごく悪いとは言わないが、日銀の国債に偏ったポートフォリオが異常な状態になっており、このままでは購入できる国債が枯渇してくると池田氏はいう。緩やかに減らしてはいるものの、それが金利の上昇を招くことになる。金利が上昇すると、日銀の含み損が増加する。

また、問題は国債だけではない。現在の日本株は日銀が大量に購入することで日経平均が2,000円くらい底上げしているといわれている。これは市場メカニズムを阻害し、健全な株価に影響を与えることになると指摘する。

どこかのタイミングで日銀が取っている舵取りのコントロールが効かなくなる時が来るだろう。そうなるとリーマンショックの時と同じく、急激な価格の乱高下は投資市場にダメージを与える。これは「何年以内に関東大震災はいつ起こるか?」というのと同じで、いつ起こるのかは誰にも分からない。

これが日銀による日本株の大量買いと、国債価格の上昇(金利低下)を「官製バブル」と呼んでおり、池田氏、内藤氏両名からその崩壊の危険性について問題提起がなされた。

市場のリスクは日銀のバランスシートに移っている

日銀の金融政策がきかない、と思っている人が多いが実質的には日銀は財政政策をしている。もちろん、厳密な意味での金融政策ではないが、国債やETFの購入は財政政策に当たると池田氏は指摘する。これはつまり、民間のリスクを日銀が取っていることになる。本来、中央銀行はニュートラルな立場のはずだが、市場のリスクが日銀のバランスシートに移っている状態だ。これは政府が本来負っているリスクを、日銀が肩代わりしてその含み損を背負っているようなものだ。でも実はリスクを先送りしているだけで、それをいつ実現するかは分からず、結果的に日銀のBSはどんどんリスクに晒されている。今後も国債を買い続ける限りどんどんリスクを負い続ける。

将来はわからないからこそ、備えるもの

バブル崩壊は誰も予想しないところから起こり、金融機関の倒産は連鎖していく性質を持っている。歴史を振り返ると、小さい銀行や証券が潰れ、山一證券まで破綻してしまっている。これは誰にも予想ができなかった。お互いの金融機関を信用しなくなったことにより、資金繰り倒産が起きた。今後の日本の経済、財政は何が起こるのかは誰にも分からない。我々、投資家ができることはそこを踏まえて資産運用をしておくということだ。起こってから何かをしようと思ってもすでに手遅れ。何も出来ないのだから。

有事に備えて資産運用をしておく。投資家が備えておくべき心構えをお話頂き、本セッションは終了した。

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